タンパク質合成系の研究
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上の図は、多くの人がご存知の「セントラルドグマ」、遺伝情報の流れです。
この概念が、クリックによって提唱されたのは1957年、逆転写酵素の発見など紆余曲折を経て、
確立したのは、1970年ごろでしょうか?
この概念の確立をもって、「タンパク質合成」のメカニズムは解明されたと勘違いしている人は、
生化学や分子生物学を専門とする人の中にさえいます。

生涯にわたって、タンパク質合成開始のメカニズムを研究したコザックいわく、
「多くのタンパク質合成の研究がなされてきたが、我々は、まだ誰も、どうやって真核生物の
リボソームが開始コドンAUGをみつけるのか合理的に説明できない。」


実のところ、わからないことだらけです。

タンパク質合成の研究には、大きくわけて、二つの方向性があります。

ひとつは、タンパク質合成のメカニズムそのものを研究する。
この研究は、今もなお重要で、「どんなタンパク質を、いつ、どこで、どのようにして、どれだけ作るのか」
を明らかにし、高次生命現象を説明しようとする努力がなされています。

もうひとつの方向性は、現在まで知られたタンパク質合成のメカニズムを利用して、新たな技術開発に
挑む研究
です。
現在のところ、当研究室では、このテクノロジー系の研究で成果が出ていますが、その背景には、
タンパク質合成そのものを研究しようという意図もあります。

代表的な論文2
代表的な論文1