愛媛大学大学院理工学研究科
理工学専攻 応用化学講座(旧:物質生命工学専攻 応用化学コース)
無機材料化学研究室(八尋研)
Inorganic materials chemistry (Yahiro’s lab)

research
研究内容

 当研究室では,環境負荷を低減するための無機材料の設計・合成およびその特徴を高度に利用した高機能性材料の創生に取り組んでいます。

主な研究テーマ

1.遷移金属錯体内包ゼオライト触媒を用いた選択的酸化反応

 新規触媒の開発も勢力的に行っています.例えば, Y型ゼオライトのスーパーケージ内に鉄錯体を内包した触媒を用いると,過酸化水素を酸化剤としたシクロヘキセンの水酸化反応が選択的に進行し,その他の炭化水素類でも選択的な水酸化反応が進行することを見出しました.

2.ペロブスカイト型酸化物触媒の調製とその触媒特性

 新規触媒の開発として,ペロブスカイト型酸化物などの活性点を制御可能な調製方法を検討し,これまでほとんど報告がない固液系反応に対する新たな触媒性能を明らかにしました.

3.揮発性有機化合物に対する化学センサの開発

 金属酸化物の触媒特性や電位応答特性を利用した揮発性有機物を検知するための化学センサの開発を行っています.

4.水質浄化のための活性炭の開発

 水中に残存している種々の有機物や有害な金属を高効率で吸着除去できる活性炭の開発を行っています.

5.固体酸化物形燃料電池の電極触媒の開発

 水素燃料でなく炭化水素燃料を直噴して電気エネルギーに変換できる燃料電池が開発できれば,水素製造プロセスを省略することができ,省エネルギーになります.そこで,メタン,プロパン燃料に適応できる固体酸化物形燃料電池電極の開発も行っています.愛媛大学 環境・エネルギー材料工学研究室との共同研究です.

その他の研究テーマ

1.水素製造触媒の開発

 近年,クリーンエネルギーに対する注目度が増しており,燃料電池を基礎とした水素化社会の実現が期待されています.水素の合成は天然ガスをはじめとする炭化水素燃料の水蒸気改質により行われていますが,燃料電池に利用する際に水素燃料中に残存している一酸化炭素(CO)を除去する必要があります(水性ガスシフト反応:CO+H2O→CO2+H2).本研究室ではこの水性ガスシフトに高い活性を示す担持銅触媒を開発しました.また,反応と触媒の塩基性の間に関係があることを世界に先駆けて見出してきました.

主要研究設備

  • X線回折装置(XRD)
  • 示差熱・熱重量同時測定装置(TG-DTA)
  • 高精度ガス/蒸気吸着装置(BELSORP-max)
  • フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)
  • 紫外可視分光光度計(UV)
  • ガスクロマトグラフ分析装置(水素炎イオン化検出器;FID)
  • ガスクロマトグラフ分析装置(熱伝導度検出器;TCD)
  • 有機合成反応装置
  • 水銀測定装置
  • 四重極質量分析装置(Q-MASS)
  • 電気化学・インピーダンス測定装置
  • 粒度分布測定装置
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