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総説・著書(2008年)
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(18)生化学 85巻10号(2013年10月号) p411〜412 (2013)
「英語論文セミナー 21世紀の分子生物学」 渡辺公綱、桂 勲編:講談社の「書評」

左の本の書評です。
著者ではありません。
こういうのも、ホームページにアップするかどうか悩んだのですが、一種の解説記事だと思えますし、案外、印象的な仕事だったので、載せてみました。
一応、「生化学」編集部の審査を通っている記事ではあります。
私にとって初めての「書評」ですが、、「一冊の本を評論するのは、まちがいなく、文筆活動だ。」と気付かされました。
本をすみからすみまで、著者の意図を理解して読まなきゃいけませんし、この本の場合、英語の論文を12報も読んで、そのサイエンティフィックな内容はもちろん、歴史的な意義も考えなきゃいけませんでした。
いろいろな意味で、とても勉強になりました。
ちなみに、この本、若手研究者・大学院生向けとなっていますが、年配の方々にもお勧めです。
我々はどういう時代を生きてきたのかを振りかえさせられ、今後、分子生物学はどうなっていくのかを想像させられます。

(19)H. Hori, “Methylated nucleosides in tRNA and tRNA methyltransferases”,
  Front. Genet. 5, 144-169 (2014)

Function of tRNA
という特集号の依頼総説です。
1990年代半ばから2014年までのtRNAのメチル化とメチル化酵素の論文を網羅した総説にするつもりでした。
ちょっと残念だったことは、キーワードのかけ方が悪くて、5〜6報、漏れがあったことです。

それでも、引用文献300報以上、執筆に6か月以上かかりました。
ギリシャのtRNA Conferenceで、レフリーだったProf. Guptaにお会いした時、
「おまえは、ライバルグループの論文も引用した総説を書くフェアな奴だ。」
と褒められました。
出版されて1年余で、10数回の引用があり、出版社もEditorも満足してくれているのではないかと思います。

(20) H. Hori, C. Tomikawa, A. Hirata, Y. Toh, K. Tomita, T. Ueda and K. Watanabe, “Transfer RNA synthesis and regulation”,
Encyclopedia in Life Sciences A21632 (2014) internet review journal, Wiley Inter-express

Encyclopedia in Life Sciencesは、インターネット上の百科事典で、総説も掲載されます。
Corresponding authorの渡辺先生が体調をくずされていたので、全面的に引き受けて、筆をいれました。

tRNAの転写、プロセシング、修飾、分解からコドン使用頻度、分子種の量比の制御までを語る
あまり例を見ない総説になっています。

閲覧が有料なため、現代でも別刷り請求がきますが、著者の私もインターネット掲載バージョンのpdfファイルを持っていません。