最近の研究成果トップへもどる

超好熱菌Aquifex aeolicus tRNA (m1G37) メチル化酵素は、
まったく新規な基質RNA選択性をもつ

超好熱菌Aquifex aeolicusは、95度近い高温環境下で生息する真正細菌です。
この菌は、1992年ごろ、アメリカのイエローストーン国立公園の熱水噴出口から
単離されました。
発見当初は、その高温適応性が注目されましたが、1990年代半ばに、16S rRNA
遺伝子をはじめとするタンパク質合成系遺伝子が調べられ、真正細菌の中で、
もっとも初期に分岐したのではないかと考えられるようになりました。
このバクテリアを調べることにより、生命が誕生したころのタンパク質合成系
情報が得られるかもしれません。

当研究室では、この真正細菌に着目し、RNA修飾酵素や翻訳因子を中心に
研究を展開しています。

Aquifex aeolicus培養液

菌を単離した
ドイツ・レジェンスブルグ大
H. Huber博士から送って
もらいました。

このように幅広い基質RNA選択性をもつTrmDは、
従来知られておらず、もしかしたら、Aquifex
TrmDは、真正細菌TrmDのプロトタイプの性質を
宿しているのかもしれません。

Auifex aeolicus TrmDは、全長のtRNAは
もちろん、その断片もメチル化できます。
しかも、このtRNAのアンチコドンループの
配列はA36G37です。

Aquifex aeolicus TrmDの二量体構造