三浦先生の代表的な業績と言えば、mRNAのキャップ構造の発見でしょう。
論文は、
Furuichi, Y., and Miura, K. (1975) Nature 253, 374-375.
です。
他に、Saito-MiuraのDNA調製法、キャッピング酵素の発見などがあります。
タンパク質工学や無細胞タンパク質合成系のよき理解者だったというのも、業績かもしれません。
愛媛大学の遠藤先生が、まだ徳島におられた頃、そのリボソーム不活性化因子の研究を高く評価
しておられたのも、三浦先生です。
その遠藤先生に誘われて愛媛に来た私が、この文章を書いているのも縁を感じます。
晩年は、タンパク質構造の基本構造アルファヘリックスの構築原理について研究を進めておられました。
生涯研究者であったというのは、すごいことです。
大学人として、第一の仕事は人材の育成でしょう。
私が、三浦研に在籍したのは、4年間。
東大・三浦研のごく一部の期間のみです。
ゆえに、京都大学、名古屋大学、遺伝研、学習院大学で、三浦先生がどうだったかは
ほとんど知りません。
ですが、東大の三浦研はヘテロな集団でした。
三浦先生以下、渡辺先生、熊谷先生、平尾先生と東大・工学部出身者はゼロ、
集まった人々も、森永さん、日比野さん、河野さん、松本さん、姫野さん、私、小島さん、新井さん、
田口さん、脇山さん、奈良岡さん、三沢さん、関さん、荒木さん、東京理科大や日本女子大の外研生...
半分ぐらいが、東大・工学部出身者じゃなかったです。
このヘテロさは見習いたいです。
ヘテロな集団というのは、打たれ強いですから...
当研究室のメンバーも、不均一で個性を発揮してくれればいいんですが...
三浦先生のご冥福をお祈りしております。