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仮配属希望者へ

 ここには,工学部工学科化学・生命科学コースの学生で,仮配属で当研究室に来ることを検討している人に対するメッセージを書きます.


連絡事項

 事務的なことをここに書きます.

R5年度の事情

 現在,特に書くことがありません.掲示されるはずですが,受入人数などについてはここに書くかもしれません..


卒論で学んでほしいこと

 以下,卒論を通じて学んでほしいことを書きます.ただし,高井が勝手にそう思っているだけのことです.

やること

 卒論の実験としてやることは,ざっくり,タンパク質の精製です.ただ,精製と言っても,ほとんどの場合は,大腸菌で発現させたタンパク質を精製します.また,それの,タンパク質としての活性を確認してもらいます.たまに,コムギの胚芽から特定のタンパク質を分け採ってきて,それの活性を測定することになる人もいるかもしれません.

 冨川先生のテーマの場合は,少々違うことをする可能性もあります.特に,タンパク質ではなくて,RNAを取ってきたりする場合もあります.活性を測定するのではなくて,化学構造を決める場合もあるかもしれません.あるいは,遺伝子を微生物に導入して,様子を観察する,というような実験もあるかもしれません.が,ここでは,主として,コムギ由来タンパク質合成系の再構成のテーマを念頭に置いています.

学んでほしいこと

 遺伝子の塩基配列で指定したアミノ酸配列のタンパク質が,きちんとできて,活性を持つ,ということを体験することは,とても楽しいことです.タンパク質合成の仕組みを頭でよく理解していても,実際に意図したとおりにできることを確かめることができると,心が躍ります.合成生物学の魅力は,何と言ってもこれです.

 逆に,タンパク質合成の仕組みを全く理解していなかったら,うまく実験ができても,何が楽しいのかわからないのかもしれません.

 基本的には,この楽しい経験を,少しでも多くの学生を分かち合いたいと思っています.この楽しい経験,できたときの喜びを学んでほしいと思っています.冨川先生のテーマでも,基本的には同じで,自分で調べて何かがわかったときの喜びを学んでほしいのです.

 申し訳ないのですが,世の中の事情が少しずつ変わってきてしまっているので,いつまでこれが続けられるか,わかりません.特に,だんだんと,遺伝子を設計するところは自分でやらなくなるようになるかもしれません.というのは,一度にまとめてたくさん遺伝子合成するほうが値段がはるかに安いので,とりあえず合成が必要とわかっている遺伝子は,学生が来るのを待たずに合成してしまったりしています.自分で設計したものが正しく機能してタンパク質が得られるのと,先生が設計したものをそのまま使ってうまくいくのとでは,意味が違うかもしれません.

 ですが,研究は次の段階に進みます.今後は,再構成無細胞タンパク質合成系で,自分の意図したとおりにタンパク質を合成できる,という世界に進みます.だいぶ近づいてきたとは思いますが,まだそこには到達していません.今後,誰かがそういう世界の扉を開いてくれるだろうと思っています.