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ついに明らかになったNADPH oxidaseの3次元構造ー30年来の夢
シアノバクテリアのNox5を結晶化してX線解析。
2つのヘムの間にはなんとTrpが、そして酸素はヘム鉄に配位しないまま電子を受け取る!
Mognani F et al. PNAS (2017), 114, 6769
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Racよおまえもか
Rasと対照的に、これまで発癌への関わりがほとんど指摘
されなかったRac。
癌細胞においてRasの下流で、栄養素の取り込みと浸潤に関わっていることが明らかに
Tajiri H et al. Cell Reports (2017), 19, 969
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iPS細胞の形成(核のリプログラミング)には、NoxによるO2
Zhou G et al. Cell Rep (2016), 15, 919-925
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血管のNox4が生成するH2O2が動脈硬化を引き起こす
フラジェリン(細菌ベン毛のタンパク質)による刺激で、Nox4が活性化。つまり、細菌感染が血管の病態を起こしうる。
Kim J et al. Sci. Rep (2016), 6 25437
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アクアポリンはH2OだけでなくH2O2も通す
H2O2の細胞膜通過は自然拡散ではなく,アクアポリンによるものだった。ワーオッ!
Bienert
GP et al. BBA (2014), 1840, 1596-1604
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Nox1のThr429リン酸化でNoxa1結合強まる
活性化因子Noxa1とNox1の結合はリン酸化で調節されていた。
Streeter J et al. Cir Res. (2014), 115, 911-918
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Nox2は好中球のNET形成を促進
話題のNET (neutrophil
extracellular trap)は病原菌への網かけ。これにもNoxが関わっていた。
Rohm M
et al. Infect Immun (2014), 82, 1766-1777
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血管平滑筋細胞の核にはNox4の短縮型が存在
これはN末端半分がなく、膜結合領域をもたない!てことは、ヘムを持たないO2-生成酵素 !?
Anikumar N et al. Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. (2013), 33, 104-112
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Noxo1もリン酸化が鍵だった
Ser154のリン酸化が最大活性のために必要だった。ただしこれはp47とは違う位置。
Debbabi
M et al. FASEB J (2013), 27, 1733-1748
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Racの変異が癌を引き起こす
P29S
Racは常時活性型になり,皮膚癌患者の9%に見られた。
Davis
MJ et al. PNAS (2013), 110, 912
☆Racはリン酸化され活性化が抑えられる
SrcによりRacのTyr64リン酸化され,負に制御される
!
Chang F
et al. PLoS One (2011), 6, e28587
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Nox2へNADPHを供給する6PGDH: 何と,Nox2と会合していた!
会合することで効率良く再還元するだけ・ナなく,Nox2のNADPH
への親和性をも上げていた。
Baillet
A et al. FASEB J (2011), 25, 2333
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Nox2:組換えタンパク質としてついに単離さる
培養細胞にNox2遺伝子を取り込ませ,発現,精製に成功。(幻の論文から18年の歳月を経て)
Picciocchi
A et al. JBC (2011), 286, 28357
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Nox2の2番目の膜貫通ドメイン
電子伝達に必要な構造をかたちづくり,安定化する役割。
・@ Picciocchi
A et al. JBC (2011), 286, 28357
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Nox4はH2O2生成酵素だった!
他のNox
enzymeと異なり,Nox4は直接H2O2を出す酵素であった。
しかも,O2-からH2O2への変換は,膜外のわずか73
残基で行われていた!
TaKac
I. et al. JBC (2011), 286, 13304
☆ NO合成酵素:
実はO2-生成酵素でもあった
補酵素の有無で生成物がNOからO2-切り替わるのだった
!!
Chen
C-A et al. Nature (2010)468, 1115-1120
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Nox2がそのままでは不活性なのは,ヘムとフラビンが接してないからだった
Nox4
(常時活性)との構造および性質の比較からNox2においてはヘムドメインとフラビンドメインが
離れている可能性がでてきた。
Jackson
HM et al. JBC (2010), 285, 10281
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甲状腺Duox2はDuoxa1が会合するとH2O2,しないとO2-を放出する!
チロキシン合成に必要なのはH2O2の方である。甲状腺には同じくH2O2を出すNox4もある
Morand
S et al. FASEB J (2009), 23, 1205
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Srcが発がんに関わるのはNox1を介してである
Tks(Srcの基質)はp51noxと協同してNox1を活性化する。結果,発生するROSがシグナルとなり
浸潤突起が形成される。変異型(vSrc)は常に活性であり,発ガン作用を起すことになる。
Gianni D et al. (2009)
Sci. Signal, 2, 54
Weaver AM et al. (2009) ibid, 2,
56
☆ Tksは
p47のファミリーである
TksはチロシンキナーゼSrcの基質である。そのドメイン構造および働きからこのタンパクはp47のホモログ
(同族体)であることがわかった。
Gianni D et
al. (2009) Sci. Signal, 2, 54
☆ Nox4はミトコンドリアにも存在
ラット腎臓のミトコンドリアにNox4があり,これがこのオルガネラの発生する活性酸素の主な発生源で
あることを突き止めた。また糖尿病のモデルラットではこのNox4の活性が上昇していた
Block K et
al. (2009) PNAS, 106, 14385
☆ Duox
傷口から過酸化水素を発生し好中球を誘引する
ゼブラフ・Bッシュを使った実験で過酸化水素(H2O2)は殺菌作用があるだけでなく好中球の誘引効果も
あることが明らかになった。そのH2O2は傷付いた組織のDuox
(Nox family) が意図的に発生していた。
Niethammer P
et al. (2009) Nature, 459, 996