NADPH oxidase(Nox)

[構成]

Nox2 (gp91)  酵素本体, 膜タンパク質(糖鎖), 65kD,塩基性, FADとヘムを
       含む
フラボシトクロム

p22     制御ユニット, 膜タンパク質, 22kD, 塩基性活性型p47と会合
        その他のタンパク因子と相互作用
(p40, RFK, Poldip など)

シトクロム b558  Nox2p22は会合して存在する。これをシトクロム b558とよぶ。
       (
膜上での構造


[活性化因子]

シトクロムb558活性化因子が会合してはじめて活性型になる。活性化因子にはサイトソル由来で以下のようなものがある。

p47  47kD,塩基性,分子内結合で自己制御されている。リン酸化で分子内
     結合がはずれ,活性型になる 
機構図

p67  67kD, 弱酸性,Racによって活性化されgp91に直接作用

Rac   G タンパク質。GEFにより活性化 (Vav, Trio, P-rex, b-Pixなど) 


[Nox 同族体]

1978年のNox2 (gp91)の発見後,約20年経ってNox1が発見された。現在,6種の同族体(family)が知られている。

Nox1  大腸,血管平滑筋などに存在。殺菌,血圧調節など

Nox2  白血球では殺菌作用。 血管平滑筋では血圧調節。

Nox3  内耳に存在

Nox4  腎臓その他の組織に 血管では血圧調節

Nox5  精巣,リンパ球, 血管内皮細胞に存在

Duox   甲状腺でチロキシン合成

[活性化因子の同族体] 

Noxo1 p47の類似体

Noxa1 p67の類似体

[低分子の活性化因子] 

ホスファチジン酸PI(3,4)P2  p47を膜に結合

PI-3P(ホスファチジルイノシト−ル-3 リン酸) p40が膜に結合するのを助ける

これらのリン脂質は細胞の活性化に伴ってホスホリパーゼ と キナーゼの働きによって生成


[活性化まとめ] 細胞内シグナリング

細胞膜の受容体からの信号が,p47の活性化(protein kinases), Racの活性化 (GEFの活性化), 特定リン脂質のレベル上昇(PLD,PI-3 Kinase)などを引き起し,最終的にNoxを活性化する。(推定図 参照)